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    未来の天気

    The Weather of the Future: Heat Waves, Extreme Storms, and Other Scenes from a Climate-Changed PlanetThe Weather of the Future: Heat Waves, Extreme Storms, and Other Scenes from a Climate-Changed Planet
    (2010/08/03)
    Heidi Cullen

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    《総評》
    難易度:★★★☆☆
    面白さ:★★★★★
    科学的な解説の第1部と世界の7地域の人々の生活に焦点を当てた第2部に分かれていて、それぞれに使われる単語に違いがあり難易度は高め。気候変動の科学的解説から実際の影響まで描かれているため、この手の本をはじめて読む人におススメです。



    《レビュー》
    この本は、アメリカの天気予報専門テレビ局・ウェザーチャンネルで天気を解説していた超人気のお天気お姉さんが、このまま気候変動が進行すると世界の7地域(アフリカ・サヘル、グレートバリアリーフ、カルフォルニア、カナダ、グリーンランド、バングラデシュ、ニューヨーク市)がどうなるのか、最新の気候モデルによるシミュレーションと現地への取材を元に2050年までを予測したユニークな書籍です。日本のお天気お姉さんとは違い、著者のハイディさんは気象予報士ではなく気候学者になるようです。

    今年の夏は去年に続き2年連続でとてつもない猛暑でした。さらに、それに加え今年は強力な台風がやってきて、いつもは「異常気象なんて毎年起こってるよ」とのん気に構えている私も、今回ばかりは日本の気候になにやら不気味な変化が起こっているのでは、と危ぶんでしまいました。

    どうやらこれは日本に限った話ではないようです。
    .29 2011
    地球科学 comment(0) trackback(0)

    MRSAの新しい恐怖

    Superbug: The Fatal Menace of MRSASuperbug: The Fatal Menace of MRSA
    (2011/02/01)
    Maryn McKenna

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    《総評》
    難易度:★★☆☆☆
    面白さ:★★★★
    読みやすく書かれているので、頻出の医療関連の単語を押さえておけば、比較的簡単だと思います。
    MRSAの海外事情がぎっしり詰まっているので、非常にためになります。



    日本では1980年代終わり頃から1990年代はじめ、MRSAによる院内感染が“MRSAパニック”と呼ばれるほど大きな問題となりました。

    MRSAとはMethicillin Resistant Staphylococcuc aureusの略で、日本語ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌です。
    メチシリンとは抗生物質の一種のことでなので、名前から察するにMRSAはメチシリンが効かない黄色ブドウ球菌のことになりそうです。
    しかし実際はそうではなく、MRSAはメチシリン以外にもβラクタム環という構造をもつすべての抗生物質に耐性をもち、治療に使用される代表的なバンコマイシンという抗生物質についても耐性を発現したりするなど、治療が難しい病原菌なのです。
    .18 2011
    医薬 comment(0) trackback(0)

    抗生物質の無い未来(その2 語彙)

    Rising Plague: The Global Threat from Deadly Bacteria and Our Dwindling Arsenal to Fight ThemRising Plague: The Global Threat from Deadly Bacteria and Our Dwindling Arsenal to Fight Them
    (2009/09/22)
    Brad, M.D. Spellberg

    商品詳細を見る

    のレビュー『抗生物質の無い未来(その1)』のつづき


    1カ月以上も更新が滞ってしまいました。

    製薬企業の戦略変更以外にもいくつかある新規抗生物質の開発を阻む要素を紹介したかったのですが、個人的な理由で最近時間が取りずらいため省略させて頂きます(本ブログはつづけますよ)。

    気になる方はぜひ本書を読んでみて下さい。




    《語彙》
    さて、それでは『rising plague: the global threat from deadly bacteria and our dwindling arsenal to fight them』に『カガク英語ドリル』の見出し語がどれだけ含まれていたか、結果を報告します。


    『カガク英語ドリル』の見出し語590語中
    .03 2010
    医薬 comment(0) trackback(0)

    抗生物質の無い未来(その1 レビュー)

    Rising Plague: The Global Threat from Deadly Bacteria and Our Dwindling Arsenal to Fight ThemRising Plague: The Global Threat from Deadly Bacteria and Our Dwindling Arsenal to Fight Them
    (2009/09/22)
    Brad, M.D. Spellberg

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    《総評》
    難易度:☆☆☆☆
    面白さ:★★★★
    平易に書かれているので、頻出用語を抑えてしまえば簡単に読めます。
    最近また院内感染で話題になっている薬剤耐性菌のはなしかと気軽に構えていたら、抗生物質開発の現状をえぐる深い書籍でした。面白いと言うよりは勉強になる感じです。




    《レビュー》
    「伝染病に関する研究は終わりにし、疫病との戦いに勝ったと宣言しようではないか」

    1969年アメリカの軍医総監ウイリアム・スチュワートの言葉です。

    「黒魔術」とも呼ばれるほど驚異的な治療成果を上げた抗生物質の登場により、当時の医学界は「感染症完全制圧」の風潮で満たされていて、感染症学はその役割を終えつつあるかのようでした。

    ここで話題になる感染症とは結核やペストなどの疫病や破傷風など細菌によるもので、抗生物質の誕生以前は有効な治療法が全く存在せず、ただ奇跡を祈るのみというような状況でした。
    手の施しようが無いほど痛々しく患部が腫れあがったブドウ球菌に感染した患者が、わずか2週間のペニシリン治療で元通りに快復する訳ですから、勝利を確信してしても無理はないでしょう。

    しかし、その実質的な勝利宣言からさかのぼること実に二十数年、1940年代半ばには、既にペニシリン耐性をもつ黄色ブドウ球菌が発見されています。
    それはペニシリンが初めて臨床で使用された翌年のことで、現在では、病院で見られる黄色ブドウ球菌ではほぼ100%、院外で見られる黄色ブドウ球菌の90%以上がペニシリン耐性をもっていることが分かっています(アメリカ)。
    ほかの抗生物質についても同様の傾向が見られるようです。

    このまま何もせず手をこまていていると、あっという間に抗生物質の無かった時代に逆戻りしかねない、というのがこの本のテーマです。
    治療と称して、効果の無いうえ有害なX線照射でお茶をにごすしか無かった時代に。
    .20 2010
    医薬 comment(0) trackback(0)

    毒に囲まれていた時代(その2 語彙)

    The Poisoner's Handbook: Murder and the Birth of Forensic Medicine in Jazz Age New YorkThe Poisoner's Handbook: Murder and the Birth of Forensic Medicine in Jazz Age New York
    (2010/02/18)
    Deborah Blum

    商品詳細を見る
    のレビュー『毒に囲まれていた時代(その1 レビュー)』のつづき


    当時のアメリカで、毒物被害がはびこっていたのには理由がありました。

    20世紀初頭のアメリカでは検死は名ばかりで、医学の知識をもたない検死官が遺体も確認せず、死亡証明書の欄を適当に埋めるということが横行していました。
    それだけならまだしも、明らかに毒殺であっても犯罪者から賄賂を受けとり、自然死の死亡証明書をするといったことも少なくなかったようです。
    当然、毒物による中毒死や毒殺は明るみにはでず、被害状況が把握できていなかったのです。

    そこに登場してくるのが、Charles Norris、Alexander Gettlerという2人の法医学者(科学捜査官)です。
    NorrisとGettlerは、様々な毒物の検出方法や中毒症状を研究し、科学捜査技術を確立しました。
    特にNorrisは私財をつぎ込み、分析機器を購入したり、アシスタントを雇ったりして、その半生を科学捜査の確立に捧げるのですが、政治家や裁判員、弁護士からはなかなか理解が得られず、科学的に明らかな証拠がありながら敗訴したり、予算を大幅に削られたりと逆風がびゅうびゅうと吹きすさみます。

    本書では、このNorrisとGettlerのプロ根性も見物です。




    《語彙》
    さて、それでは『The Poisoner's Handbook: Murder and the Birth of Forensic Medicine in Jazz Age New York』に『カガク英語ドリル』の見出し語がどれだけ含まれていたか、結果を報告します。


    『カガク英語ドリル』の見出し語590語中
    .31 2010
    化学 comment(0) trackback(0)

    毒に囲まれていた時代(その1 レビュー)

    The Poisoner's Handbook: Murder and the Birth of Forensic Medicine in Jazz Age New YorkThe Poisoner's Handbook: Murder and the Birth of Forensic Medicine in Jazz Age New York
    (2010/02/18)
    Deborah Blum

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    《総評》
    難易度:★★★☆☆
    面白さ:★★★★★
    化学が得意であれば化学的な記述は簡単に読めてしまいます。個人的には政治的な話題が登場する箇所は苦戦しました。
    本書では毒物の化学と科学捜査の歴史を堪能できます。




    《レビュー》
    今でこそ、食品や日用品には安全性の確認された原料や化学物質が使用され、包装には原料や添加物が記載されていますが、当然のことながら、はじめからこうした制度が存在し、適正に運営されていたわけではありません。

    この本の舞台となる1915年~1936年ころのアメリカは、産業革命によって様々な化学物質の大量生産が可能となり、いろいろな日用品に使用されるようになった反面、そうした物質に対する安全性を担保する制度や毒性の研究は未発達で、予期せぬ(なかには知っているにも関わらず)毒物汚染が深刻な被害をもたらしていました。

    クロロフォルム、メチルアルコール、シアン化合物、水銀、ラジウム、ヒ素、タリウムなど。今から考えるとぞっとするような毒物が、日常にありふれていたのでした。
    .30 2010
    化学 comment(0) trackback(0)

    技術を織りなすもの(その2 語彙)

    The Nature of Technology: What It Is and How It EvolvesThe Nature of Technology: What It Is and How It Evolves
    (2009/08/11)
    W. Brian Arthur

    商品詳細を見る
    のレビュー『技術を織りなすもの(その1 レビュー)』のつづき


    著者の「技術は技術の組み合わせ」という主張が、非常に心に残りました。

    というのは、同じようなフレーズをアイデアや企画に関する書籍で幾度と無く見たことがあるからです。『考具 ―考えるための道具、持っていますか?』や『「超」発想法 (講談社文庫)』などです。それらの本では「アイディアは既存のものの新しい組み合わせに過ぎない」と断言されています。そのためこの2冊では、既存のものの組み合わせに頼らない全く新しいアイデアの出し方については触れられていません。

    一方、『The Nature of Technology』では、要素となる技術はその起源までさかのぼると、「自然現象を捉えてニーズを満たすように手を加える」ところに行き着きます。それでつい、この「自然現象を捉えて…」と先の「技術は技術の組み合わせ」を単純化して、アイデアや発想法、その他のことに当てはめられないかと愚考してしまいます。つまり、アイデアは「より小さなアイデアの組み合わせる」と「何かしらの現象を捉えて、何かしらのニーズを満たすように手を加える」ことで新しいアイデアを発想できるのでは?、ということです。

    ここまで考えて思い出したのが、牛乳瓶のフタのぽっちです(紙のフタの付いた牛乳瓶を知らない世代の方は検索してみて下さい)。このぽっちが発明される前までは、ただの丸い紙のフタで封されていたので、フタの端をはがして取っ手にして引き上げる必要があり、イライラして指で押し開けたりすると、勢い中身が飛び出してしまうという問題があったようです(私は既にぽっちがあった世代です)。

    ここで、「フタの端を起こすのに時間がかかる(現象)」×「ぽっちを付ける(手を加える)」=「組み合わせに頼らない新規のアイデア」、と考えられそうな気がします。自分でフタの端を起こしていた時代では、それは普通のことだったので、ほとんどの人はそこに不便を感じていなかった可能性があります。そのため、「自分でフタの端を起こすのがめんどさい」というニーズは顕在化しておらず、それを発掘するのはなかなか難しそうです。しかし、「フタの端を起こすのに時間がかかる現象」や「失敗して中身が飛び出すという現象」は誰もが目にし、体験することができます。なので、「現象を捉える」ことに集中し続けることが、組み合わせに頼らない新規なアイデアを発想する近道なのではないかと思ったりしています。




    《語彙》
    さて、それでは『The Nature of Technology: What It Is and How It Evolves』に『カガク英語ドリル』の見出し語がどれだけ含まれていたか、結果を報告します。

    『カガク英語ドリル』の見出し語590語中
    .30 2010
    科学技術 comment(0) trackback(0)

    技術を織りなすもの(その1 レビュー)

    The Nature of Technology: What It Is and How It EvolvesThe Nature of Technology: What It Is and How It Evolves
    (2009/08/11)
    W. Brian Arthur

    商品詳細を見る
    《総評》
    難易度:☆☆☆☆
    面白さ:★★★★
    技術の定義や構造、社会への影響を見直し、技術を新しい観点からとらえ直していて新鮮です。
    抽象的な説明が多いですが、非常に易しく書かれていてます。




    《レビュー》
    “技術”とは何でしょうか?

    「彼女にはライティングの技術がある」というように、“スキル”というような意味でも使われますが、この本で取り上げられているのは「科学技術」や「工業技術」などの意味で使われる方の「技術」についての話題です。


    広辞苑(第5版)によると、技術とは
    「科学技術を実地に応用して自然の物事を改変・加工し、人間生活に役立てるわざ」
    と定義されています。

    何だか分かったような、分からないような。でもそもそも「技術とは?」なんて考えてみたこともないし、まあ、言われてみればそうかも。
    と、正直思考停止。“ポカン”でした。

    だいたい「技術とは何か? 技術とはどのように進化するのか?」というテーマで本が1冊書けるのか?
    と、訝しんでみたり。

    しかし読んでみれば、なかなかどうして。
    技術のとらえ方が整理され、頭がすっきりです。


    それでは、この本のさわりだけ紹介します。
    .27 2010
    科学技術 comment(0) trackback(0)

    ウラン調達の裏側(その3 蛇足)

    Uranium: War, Energy, and the Rock That Shaped the WorldUranium: War, Energy, and the Rock That Shaped the World
    (2010/02/23)
    Tom Zoellner

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    のレビュー『ウラン調達の裏側(その2)』のつづき。


    本書で登場した単語として「squirrel(リス)」がありました。
    でも、ちょっと変わった使われ方(『カガク英語ドリル』ではカバーしていない)があって、面白かったので、ちょっと引用してみます。

    This is the home of the Safeguards Analytical Laboratory of the International Atomic Energy Agency, and its employees are responsible for making sure that every country that signed the nonproliferation treaty in not squirreling away uranium in a warehouse or trying to siphon off plutonium.

    (これが国際原子力機関のセーフガード分析実験所の本拠地で、ここの職員には核拡散防止条約に締結した国がウランをこっそりとため込んでいないか、またプルトニウムを転用しようとしていないか確かめる責任がある)

    「squirrel」を動詞で使うと、「隠す、蓄える」という意味になるようです。
    リスがせっせと木の実を地面に隠している様子が想像できてちょっと面白かったです。



    そのほか、本書での頻出単語を下にまとめました。
    .09 2010
    物理 comment(0) trackback(1)

    ウラン調達の裏側(その2 語彙)

    Uranium: War, Energy, and the Rock That Shaped the WorldUranium: War, Energy, and the Rock That Shaped the World
    (2010/02/23)
    Tom Zoellner

    商品詳細を見る
    のレビュー『ウラン調達の裏側(その1)』のつづき。


    1951年、アメリカの原子力委員会(AEC)が、有効なウラン鉱山を発見した者には多額の報奨金を出すと発表すると、ウランで一攫千金をめざす無鉄砲者がアメリカ南西部にぞくぞくと集まりました。
    このアメリカのウラン騒動は、『人生ゲーム』の「ウランを発見! $240,000もらう」というコマとして名残を残しています(日本語版はどうか分かりません)。


    ウランを探す人がいれば、掘る人がいます。

    ウラン鉱を探し当てた人は大金を手に入れましたが、採掘作業をしていた人はどうなったのでしょうか?
    .30 2010
    物理 comment(0) trackback(0)
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    プロフィール

    Author:筧 貴行
    理工系書籍の編集をやっています。

    このブログでは、担当書籍『読める! 分かる!! 面白い!!! カガク英語ドリル』で取り上げた英単語が、実際の英語の科学読み物でどれだけ使われているか、自ら実験台となり検証してみようと思います。

    やり方としては、

    ① ポピュラーサイエンスの洋書を読む、
    ②その本のなかで『カガク英語ドリル』見出し語がどれだけ使われていたか調べる、
    ③書籍の紹介しながら調査結果を報告する、

    です。

    興味のある方はぜひ、見ていってください。
    ※よかったら、リンク、コメントもお願いします。

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